专利摘要:

公开号:WO1992018050A1
申请号:PCT/JP1992/000462
申请日:1992-04-13
公开日:1992-10-29
发明作者:Takao Kanbe
申请人:Itoh, Shinsuke;
IPC主号:A61B5-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] 眼振盪測定器
[0003] 技術分野
[0004] 本発明は、 恒常的な目眩が例えば脳疾患に原因があるのか或いは内耳前庭疾患 にあるのか等を、 半透過反射鏡を使用することにより、 瞳孔が様々な方向に振動 する眼振盪を容易にかつ正確に測定できるようにした眼振盪測定器に関する。
[0005] 背景技術
[0006] 眼球の平衡機能検査には、 注視状態での検査と非注視状態での検査がある。 一 点を注視する機能は文字を読んだり細かな手作業に不可欠であり、 正面や左右上 下に視線を移して注視機能を調べたときに、 正中より 3 0 ° 以内で視線保持が困 難である場合は病的であり、 視標が明視できるか 2重視がないかを診断し、 眼振 (即ち瞳孔の振動) が認められる場合は、 その方向、 回旋要素の有無、 頻度そし て振幅などを検査する必要がある。 一方また、 「物を注視できない状態」 には、 閉眼と遮眼そして暗所開眼という三つの異なつた状態があり、 これら異なった状 態で眼球の平衡がどのようになっているかを調べることは重要である。 眼筋は、 前庭や小脳或いは大脳などからかなり強い緊張性入力を受けているが、 前述の注 視機能が働いている状態では、 十分に眼球の平衡状態が測定できないからである ところで、 外来患者に、 非注視状態での眼球平衡を検査するときは、 従来、 分 厚い凸レンズに照明装置を組みつけたフレンツェル眼鏡が用いられてきた。 フレ ンツェル眼鏡は、 Frenzel氏考案によるものであり、 自発眼振 (即ち非注視状態 での眼振) の観察に不可欠とも言われてきた医療機器である。 この眼鏡をつけた 被検者は、 凸レンズのために物が全くぼやけて見えない非注視状態となり、 一方 検者からは凸レンズにより拡大された眼球像の眼振が観察できることを利用し、 一般にはある程度暗い部屋で視線の方向を正中にして検査が行われる。
[0007] しかし、 この種のフレンツ Xル眼鏡による眼振盪の検査では、 非注視状態での 検査に続いて注視状態の検査を行うときに、 被検者はフレンツェル眼鏡を外して 指標としての検者の指等を注視する必要がある。 このため注視状態と非注視状態 を交互に検査しょうとすると、 眼鏡の掛け外しに手間がかかる分だけ検査能率が 悪く、 さらにまたフレンツヱル眼鏡を装着した場合には、 凸レンズの倍率に応じ て瞳孔が例えば 1 . 5倍程度に拡大されるのに対し、 フレンツェル眼鏡を外した 状態では裸眼であるために瞳孔は倍率 1で観察されるというように、 検査目的に よって眼球の拡大倍率が異なってしまうために、 一律の評価が下しにくいといつ た問題があった。 従って、 こうしたフレンツヱル眼镜による検査は、 実質的には 非注視時の自発眼振盪の測定にしか適用できず、 またその測定精度も定量的な根 拠に乏しい大雑把なものであると言わざるを得なかつた。
[0008] —方また、 上記のフレンツェル眼鏡よりも高価な機材を用いて測定精度を上げ たものに、 E N G (electronystagnograph) と呼ばれる電気眼振計を用いる眼振 盪測定法がある。 電気眼振計は、 眼球の前後軸に沿って十一の静止電位があって、 眼球が左右或いは上下に動いたときに眼球を取り囲む組織の電場が変化すること を利用して眼振を測定するものであり、 被検者の目の周囲に電極を接着するだけ で検査できるといった利点を有する。
[0009] しかし、 この種の電気眼振計は、 腕時計に着磁した磁気や近くの A Cコンセン ト等に反応してしまうほど測定環境からの影響を受けやすく、 特に地磁気等の外 乱磁界に敏感であるため、 正確を期すためには磁気ノイズを遮断する磁気遮蔽室 内で検査するしかなく大変高価であった。 このため、 電気眼振計や磁気遮蔽室を 備えることの困難な一般の開業医にとっては、 簡単に利用できるものではなかつ また実際に使用して検査を行うにしても、 非注視状態をつくる際に被検者の目 の前に遮蔽板を置いて視線を遮る作業が必要でありこれを検者自らが行う必要が あり、 さらに目の周囲に接着した電極間に発生する電位と眼球の変位との関係が 検査の前後で異なるような場台は、 再度検査を行わなければならない等の問題点 があった。
[0010] 発明の開示
[0011] 本発明は、 上記従来例の技術的課題を解決した眼振盪測定器を提供することを 目的とするものである。
[0012] そのための本発明の構成は、 被検者 (4 1 ) と検者 (4 2 ) の各視線を結ぶ視 軸に沿って設けられたケース (2 ) と、 ケースの前記視軸に対して傾斜して配置 され、 該ケース内を被検者 (4 1 ) 側の明所と検者 (4 2 ) 側の暗所とに区分す る半透過反射鏡 (7 ) と、 被検者の注棵状態のときは所定の指標 (3 6、 4 1 a ) の像を前記半透過反射鏡 (7 ) を介して被検者の視界へ提供し、 非注視状態のと きは前記指標の像を遮断して被検者の視界へ至らないようにする指標提供及び遮 靳手段 (2 b ) とを具備することを特徴とする眼振盪測定器に係る。
[0013] 本発明の第 2の構成は、 被検者 (4 1 ) と検者 (4 2 ) の各視線を結ぶ視軸に 沿って設けられたケース (2 ) と、 ケースの前記視軸に対して傾斜して配置され、 該ケース内を被検者 (4 1 ) 側の明所と検者 (4 2 ) 側の暗所とに区分する半透 過反射鏡 (7 ) と、 被検者の注視状態のときは所定の指標 (3 6、 4 1 a ) の像 を前記半透過反射鏡 (7 ) を介して被検者の視界へ提供し、 非注視状態のときは 前記指標の像を遮断して被検者の視界へ至らないようにする指標提供及び遮断手 段 (2 b ) と, ケースに取付けられ、 前記半透過反射鏡を暗所側に透過した前記 被検者の眼球像を拡大して、 検者側の視界に導く眼球像拡大視手段 (3 ) とを具 備することを特徴とする眼振盪測定器に係る。
[0014] 発明の効果
[0015] 本発明の構成によれば、 次に示す利点がある。
[0016] ① 被検者と検者との間に半透過反射鏡を傾斜して配置することにより、 半透過 反射鏡に関して明所側の被検者からの光は半透過反射鏡を透過して暗所側の検者 に至る (つまり検者は彼検者の眼球像を観察できる) が、 一方検者からの光は半 透過反射鏡で反射されて被検者に至らない (つまり被検者は検者の存在が見えな い) 。
[0017] このため、 指標提供及び遮断手段により被検者への指標の像を遮断することに より、 被検者は検者の視線を意識しない非注視状態となるので、 検者は被検者の 良好な非注視状態の眼振を観察して、 抹消性すなわち内耳前庭よりの疾患を判定 できる。
[0018] また、 指標の像を被検者へ提供することにより、 被検者は指標の一点を注視し た注視状態となるので、 検者は被検者の良好な注視状態の眼振を観察して、 中枢 性のいわゆる脳疾患を判定できる。
[0019] 何れにせよ、 半透過反射鏡を使用することにより、 上記注視状態と非注視状態 とを極めて容易に切り替え可能として、.手軽で迅速かつ高い判定精度の眼振検査 を行うことができる。 .
[0020] ② しかも、 注視眼振検査時と非注視眼振検査時とで、 被検者の眼球を同じ倍率 で観察できるので、 フレンツヱル眼鏡のように異なる倍率で観察するものに比し て、 大変便利である。
[0021] ③ 純粋に光学的な手法によって眼振逢を測定するため、 E N G法の如く電磁ノ ィズ等の影響を受けることがなく、 一層高い判定精度が得られる。
[0022] ④ 従って、 専門医でなくとも個人の開業医院でも容易に検査を行え応用範囲が 大きくなる。
[0023] ⑤ しかも注視眼振検査と非注視眼振検査とを、 共に眼球像拡大視手段により所 定の拡大倍率で実施でき、 一層検査作業の判定精度が高くなる。
[0024] ⑥ 上記指標提供及び遮断手段が遮光板である構成は極めて簡単かつ安価である。
[0025] ⑦ 被検者の眼球の動きをメジャーフィルタの目盛り線に合わせて正確に読み取 ることができるので、 定量的な測定結果に裏付けられた疾患判定が可能である。
[0026] 図面の簡単な説明
[0027] 第 1図は本発明になる眼振 ¾測定器の一実施例の斜視図、
[0028] 第 2図は第 1図に示した眼振 ¾測定器の側面図、
[0029] 第 3図は第 1図に示した眼振逢測定器を検者側から見た正面図、
[0030] 第 4図は第 1図に示した眼振盪測定器を披検者側から見た正面図、
[0031] 第 5図は第 1図に示した眼振 ¾測定器の下面図、
[0032] 第 6図は第 1図に示した眼振遗測定器の側断面図、
[0033] 第 7図は第 6図に示したメジャーフィルタの一例を透過した眼球像を示す図、 第 8図は第 7図に示したメジャーフィルタに描かれた境界線を示す図、 第 9図は第 7図に示したものとは異なるメジャーフィルタを透過した眼球像を 示す図、
[0034] 第 1 0図は第 9図に示したメジャーフィルタの目盛り線と眼球の回動距離の関 係を示す図、
[0035] 第 1 1図は瞳孔距離調節手段の概略構成を示す平面図、
[0036] 第 1 2図は第 1 1図に示した被検者用垂直調節ねじ部分の構造を示す側面図、 第 1 3図は被検者用水平調節ねじ部分の構造を被検者側から見.た正面図、 ' 第 1 4図は第 1 3図に示した被検者用水平調節ねじ部分の側面図、
[0037] 第 1 5図は検者用水平調節ねじ部分の構造を検者側から見た正面図
[0038] 第 1 6図は瞳孔距離調節パターンを示す図、
[0039] 第 1 7図は注視眼振検査における眼振盪測定器の使用例を説明するための側面 図、
[0040] 第 1 8図は注視眼振検査における眼振 ¾測定器の他の検査方法例を説明するた めの側面図、
[0041] 第 1 9図は非注視眼振検査における眼振盪測定器の使用例を説明するための側 面図、
[0042] 第 2 0図は注視眼振検査における眼振通測定器の他の使用例を説明するための 側面図である。
[0043] 発明を実施するための最良の形態
[0044] 第 1図〜第 7図中、 眼振通測定器 1は、 被検者の両眼に宛てがって覆う大きさ をもったミラーケース 2に、 被検者の眼球を拡大視する;^めの双眼鏡 3を合体し て構成したものである。 ミラーケース 2は、 正面に被検者のための接眼窓 2 aが フード 4に囲まれて開口しており、 外光を採り入れるための採光窓 2 bが下面に 開口している。 各開口には、 それぞれ無反射コーティングガラス 5, 6が嵌め込 また、 ミラーケース 2内には、 被検者側の明所と検者側の暗所を区画して熱線 反射ガラス或いはマジックミラー等の半透過反射鏡 (ハーフミラー) 7がほぼ 4 5度に傾斜させて配置してあり、 側面から透視したときに上記 2枚の無反射コ一 ティングガラス 5 , 6とで直角プリズムと同じ三角形状を形成している。 尚、 半 透過反射鏡 7は上記 4 5度に配置したとき、 鏡 7に関して明所側からの光は反対 の暗所側に透過させるが、 逆に暗所側からのかすかな光も反射して明所側に伝達 させない機能を有する。 即ち暗所側から鏡 7を介して明所側は見えるが、 逆に明 所側から暗所側は全く見ることができない。
[0045] ミラーケース 2の左右の側面には、 第 1 9図に示す如く、 ミラーケース 2内の 明所が後述するスモークガラス 1 0により暗くされたとき被検者 4 1の眼を照明 するための一対の測定ライ ト 8が、 外側に一部を膨出させて配設してある。 また、 —方の測定ライト 8のすぐそばには、 測定ライト 8の点灯又は消灯そして同調点 灯のいずれかに切り替えるためのライ トスイッチ 9が取り付けてある。 同調点灯 とは、 後述するスモークガラス 1 0の開閉操作に同調して行われる点灯のことで める。
[0046] 双眼鏡 3は、 ミラーケース 2にミラーケースアタッチメント 1 1を介して結合 されたスコープアウターケース 1 2内のスコープケース 1 3 (第 6図参照) に組 み込まれており、 半透過反射鏡 7を暗所側に透過した被検者の眼球像を拡大する。 第 6図に示す如く、 スコープアウターケース 1 2とスコープケース 1 3の間には、 外部から加わる衝撃を緩衝するスポンジスぺーサー 1 4が詰め込んである。 スコ ーブアウターケース 1 2の下面には、 遮光板として設けた前述のスモークガラス 1 0を出し入れ自在に収容するスモークガラスホルダー 1 5が形成してある。 スモークガラス 1 0は、 スモークガラスホルダー 1 5の側面に設けたスモーク ガラスレバー 1 6を回動操作することにより前進或いは後退させることができ、 スモークガラスホルダー 1 5内から前進させたときに無反射コーティングガラス 6の下面に進入し、 これにより採光窓 2 bは遮蔽されて後述する如く被検者の非 注視状態を作る。 尚スモークガラス 1 0は被検者の眼球を幾分照明させるために 幾分光を透過させるが、 これに限らず完全に光を遮蔽するものでもよい。 また、 スコープアウターケース 1 2とスモークガラスホルダー 1 5の末端部は、 ともに 蛇腹ゴムからなるエラスティックゾーン 1 7を介して接眼レンズフード 1 8に結 合されている。
[0047] スコープケース 1 3内には、 対物側の大径部分に 2枚の対物レンズ 1 9, 2 0 とメジャーフィルタ 2 1とが組み込まれかつ接眼レンズフード 1 8内に 2枚の接 眼レンズ 2 2. 2 3が組み込まれ、 これらにより双眼の近距離望遠鏡が構成され る。 第 2図中 22 aは、 接眼レンズフード 18.の根元に設けたピント調整のため の調整リングである。
[0048] メジャーフィルタ 21は、 2枚の対物レンズ 19, 20の中間に介挿されてお り、 拡大視される被検者の眼球像に瞳孔の変位を示す目盛り線を重ねて表示する 働きをする。 実施例では、 第 7図及び第 8図に示したように、 透明なフィルタ板 に、 上方視領域 21 a. 正方視領域 2 l b, 下方視領域 21 c, 左方視領域 21 d, 右方視領域 21 eに伴う瞳孔の各移動範囲を示す境界線と、 mm単位で移動 距離を読み取ることのできる縦目盛り線と横目盛り線を記したものが用いられる。 六角形状の外周枠は、 被検者の瞳孔が収まる大きさとされている。 なお、 上方視. 正方視, 下方視. 左方視, 右方視は、 瞳孔の中心が第 8図に示した 5個の領域 2 1 a〜21 eのいずれの領域に存在するかで区別することができる。 また、 被検 者の瞳孔は双眼鏡 3の倍率で拡大され、 しかも拡大された瞳孔の像がメジャーフィ ルタ 21の目盛り線に重なって二重写しになるため、 瞳孔の中心位置或いは縁の 線は目盛り線に従って明瞭に読み取ることができる。
[0049] なお、 上記のメジャーフィルタ 21は、 被検者の眼球の動きを平面運動として 計測するため、 正確には回動運動する眼球の動きを厳密にとらえているとは言い 難い。 そこで、 目盛り線を、 瞳孔の回動距離を示す目盛り線に変えたものが、 第 9図に示したメジャーフィルタ 24である。 この例では、 横軸は不等間隔ピッチ で目盛り線が刻んであり、 この目盛り線から直接眼球の回動距離を読み取ること ができる。 なお、 正中から円周距離にして lmmずつ眼球を動かしたときに、 水 平軸線上に投影された第 n— 1番目と第 n番目の投影点間の距離 P„— Ρ η-,の関 係は、 第 10図に示した図形に基づいて幾何学的に求めることができ、
[0050] P n— P n— ^Dsin (1/D) cos (2n-l/D)
[0051] で与えられる。 ただし、 Dは瞳孔径であり、 通常、 一般成人では 24 mm程度の 値が用いられる。 また、 Pnは、 正中点 Tの投影点である。 注視状態における平 銜機能検査では、 正中から 30° 以内で視線保持できることが健全か病的かの判 定基準となることは前に触れたが、 メジャ一フィルタ 24を用いることで、.こう した注視眼振検査の基礎となる厳密な角度判定が可能である ところで、 左右の眼球の間隔或いは募丘から眼球までの高さは被検者によって 異なるのが普通であり、 このため眼振逢測定器 1には、 被検者の左右の眼球像の 中心に検者の瞳孔の中心を一致させるための調節手段が設けられている。 ここで は、 こうした調節手段として、 第 1 1図に示したように、 被検者の鼻丘から両眼 までの高さに応じて、 対物レンズ 1 9, 2 0の上下の調節を行う検者用垂直調節 ねじ 2 5と、 被検者の両眼の間隔に応じて左右の対物レンズ 1 9 , 2 0の間隔を 調節する被検者用水平調節ねじ 2 6と、 検者の左右の瞳孔中心に左右の接眼レン ズ 2 2 , 2 3の中心を合わせる検者用調節ねじ 2 7が備わっており、 これらの調 節ねじ 2 5 , 2 6. 2 7を適宜調節することで、 正確に検査できるよう配慮して のる。
[0052] 被検者用垂直調節ねじ 2 5は、 第 1 2図に示したように、 左右の対物レンズ 1 9 , 2 0 (第 6図参照) の中間を通り下端がスコープアウターケース 1 2の内底 に回転自在に係止されており、 しかも左右の対物レンズ 1 9 , 2 0を下から支え る瞳孔距離調節棒 2 8の中央部分に貫通螺合させてある。 このため、 調節ねじ 2 5を時計方向又はその逆方向に回動操作することで、 瞳孔距離調節棒 2 8を上下 方向に移動させて、 被検者の募丘からの両眼の高さに合わせて対物レンズ 1 9 , 2 0の上下の高さを調節することができる。
[0053] また、 第 1 3図及び第 1 4図に示す如く、 被検者用水平調節ねじ 2 6のクラウ ンギヤ 2 6 aがギヤボックス 2 9内のピニォン 3 0に嚙合しており、 このピニォ ン 3 0が左右のスコープケース 1 3に連結した一対のラック 3 1 . 3 2に嚙合し ている。 従って、 調節ねじ 2 6を時計方向又はその逆方向に回動操作することで ピニオン 3 0を正逆転駆動し、 ラック 3 1 , 3 2を互いに離間する方向或いは近 接する方向に変位させる。 これにより、 被検者の両眼の間隔に応じて左右の対物 レンズ 1 9 , 2 0の間隔を調節することができる。 なお、 ラック 3 1 , 3 2は、 それぞれ蝶番 3 l a , 3 2 aを介してスコープケース 1 3に接続してあるため、 ラック 3 1, 3 2が水平方向に移動しても対物レンズ 1 9 , 2 0が捩れることは ない。
[0054] さらにまた、 検者用水平調節ねじ 2 7 (第 3図、 第 5図参照) は、 第 1 5図に 示したように、 先端のピニオン 27 aがギヤポ:ックス 33内で一対のラック 34, 35に嚙合している。 ラック 34, 35はそれぞれ蝶番 34 a. 35 aを介して 左右のスコープケース 13の末端近くに連結してある。 このため、 調節ねじ 27 を時計方向又はその逆方向に回動操作することで、 ラック 34, 35を互いに離 間する方向或いは近接する方向に変位させ、 検者の両眼の間隔に応じて左右の接 眼レンズ 22, 23の間隔を調節することができる。
[0055] 対物レンズ 19, 20と接眼レンズ 22. 23の間隔調節パターンは、 基本的 には、 第 16図 (A) , (B) , (C) に示した 3通りに分類される。 すなわち、 第 1に左右の対物レンズ 19. 20の間隔を広げる一方、 左右の接眼レンズ 22. 23の間隔を縮めるパターンと、 第 2に左右の対物レンズ 19, 20の間隔を縮 める一方、 左右の接眼レンズ 22. 23の間隔を広げるパターン、 及び第 3に左 右の対物レンズ 19, 20と左右の接眼レンズ 22, 23をともに間隔を広げる か縮めるパターンである。 これらのパターンはいずれも被検者用と検者用の水平 調節ねじ 26, 27の操作により簡単に選択することができる。
[0056] 次に、 眼振通測定器の操作について説明する。 眼振盪の検査には、 注視眼振検 査と非注視眼振検査の 2通りがあることは前述した通りであるが、 いずれの場合 も、 第 17図ないし第 19図に示したように被検者 41と検者 42が、 眼振通測 定器 1を挟んで相対し、 被検者 41は採光窓 2 aに、 また検者 42は接眼レンズ 22, 23に接眼する。 まず、 注視眼振検査では、 検者はスモークガラスレバー 16を操作し、 スモークガラス 10 (第 6図参照) をスモークガラスホルダー 1 5内に収容した状態、 すなわち無反射コーティ ングガラス 6の下面が開放された 状態とする。
[0057] そして、 被検者 41は検者 42の指示に従って自分の手のひら 41 aを採光窓 2 aの直下方に差し伸べる。 手のひら 41 aからの光は、 無反射コーティ ングガ ラス 6、 半透過反射鏡 7及び無反射コーティ ングガラス 5を結ぶ光路を経由して 被検者 41へ至り、 これにより被検者 41は手のひら 41 aを注視する。 このと き、 半透過反射鏡 7を境にして被検者 41と検者 42は明所側と暗所側に区画さ れるため、 被検者 41は検者 42を見ることはできず自らの手のひらだけを落ち 着いて注視できる。 一方また検者 4 2は被検者 4 1の瞳孔を観察することができ る。 従って、 検者は半透過反射鏡 7を透過して観察される被検者の瞳孔の動きを、 メジャーフィルタ 2 1或いは 2 4の目盛り線に従って正確に読み取ることができ る o
[0058] なお、 このときに第 1 8図に示したように、 被検者 4 1の手 Oひらではなく、 検者 4 2が手にしたペンライ ト 3 6を前後左右に動かしたり旋回したりしてもよ く、 ペンライト 3 6を追う被検者 4 1の瞳孔の動きから眼振盪を測定することも できる。
[0059] 次に、 検者は第 1 9図に示す如く、 スモークガラスレバー 1 6を操作し、 スモ ークガラス 1 0をスモークガラスホルダー 1 5から前進させて、 無反射コーティ ングガラス 6の下面を遮蔽する。 これにより被検者 4 1側の明所が暗所に切り替 わるので、 ライトスィツチ 9を O N側に切り替え操作して測定ライ ト 8を点灯さ せる。 尚、 測定ライ卜 8を点灯する理由は被検者 4 1の眼球を検者 4 2から見え るよう照明するためである。 このとき、 ミラーケース 2の下方の採光窓 2 bは、 スモークガラス 1 0により覆われて密閉されるため、 被検者 4 1は密閉されたミ ラーケース 2内の照明空間を何物をも注視することなくぼんやりと眺める非注視 状態に置かれる。 このため、 検者 4 2は半透過反射鏡 7を透過する光線により被 検者 4 1の瞳孔の動きから、 非注視状態における自発眼振の有無を子細に観察す ることができる。
[0060] また、 眼振通測定器 1は、 スモークガラスレバー 1 6の操作一つで注視眼振検 査と非注視眼搌検査を自在に切り替えることができるため、 2種類の検査を随自 切り替えて実施することができ、 これにより様々な角度から眼振盪を測定するこ とができる。 そのさい、 ライ トスイッチ 9を同調側 (第 1図及び第 2図参照) に 切り替えておけば、 スモークガラス 1 0が採光窓 2 bを塞いだときに自動的に測 定ライ 卜 8を点灯させることができ、 スィッチ 9の O N— O F F切り替え操作を 不要にできる。
[0061] 通常、 注視眼振検査で被検者の瞳孔の振れが小さくなり、 その逆に非注視眼振 検査で瞳孔の振れが大きくなったことが観察された場合は、 抹消神経障害であり、 三半器官や内耳前庭などの異常を疑う必要がある。 また、 これとは逆に、 注視眼 振検査で被検者の瞳孔の振れの大きくなり、 非注視眼振検査で瞳孔の振れが小さ くなつたことが観察された場合は、 中枢神経障害であり、 脳などの異常を疑う必 要がある。 また、 正中から 3 0 ° ずれこ方向を見たときに、 瞳孔の振れが大きく なる場合は、 中枢疾患である。 '
[0062] なお、 上記実施例において、 眼振通測定器 1は、 第 2 0図に示したように、 上 下逆さまにして使用することもでき、 その場合上方からの外光を採光窓 2 bを通 して明所に導くことができる。
[0063] また、 実施例において、 半透過反射鏡 7を内蔵するミラーケース 2に合体され る拡大視手段としては、 双眼鏡 3に限定されず、 一組の対物レンズと接眼レンズ でもって構成された単眼鏡でもよい。 更に、 この拡大視手段は必ずしも設けなく ともよく、 検者 4 2が単に拡大倍率 1の肉眼被検者の眼球像を観察することもで きる。
[0064] また、 こうした近距離望遠鏡に代えて例えばビデオカメラなどの撮像手段を合 体させてもよく、 被検者の眼球の動きを撮像した画像データから、 コンピュータ による静止画処理或いは動画処理により眼球の動きを自動的に数値解析すること - もできる。
[0065] また、 スモークガラス 1 0及びレバー 1 6の構成は必ずしも必要でない。 即ち この場合は、 採光窓 2 bのコーティングガラス 6の箇所に該コーティ ングガラス 6に替えて電気的に作動する液晶板等を配置し、 液晶により指標を形成又は消滅 させて、 注視及び非注視状態を作るようにしてもよい。 あるいは単純に、 採光窓 2 bの箇所又はその近傍にケース外部等から所定の指標を出し入れするようにし てもよい。
权利要求:
Claims 請求の範囲
1. 被検者 (41) と検者 (42) の各視線を結ぶ視軸に沿って設けられたケ ース (2) と、
ケースの前記視軸に対して傾斜して配置され、 該ケース内を披検者 (41) 側 の明所と検者 (42) 側の暗所とに区分する半透過反射鏡 (7) 'と、
被検者の注視状態のときは所定の指標 (36、 41 a) の像を前記半透過反射 鏡 (7) を介して被検者の視界へ提供し、 非注視状態のときは前記指標の像を遮 断して被検者の視界へ至らないようにする指標提供及び遮断手段 (2b) とを具 備する、
ことを特徵とする眼振盪測定器。
2. 被検者 (41) と検者 (42) の各視線を結ぶ視軸に沿って設けられたケ ース (2) と、
ケースの前記視軸に対して煩斜して配置され、 該ケース内を被検者 (41) 側 の明所と検者 (42)側の暗所とに区分する半透過反射鏡 (7) と、
被検者の注視状態のときは所定の指標 (36、 41 a) の像を前記半透過反射 鏡 (7) を介して被検者の視界へ提供し、 非注視状態のときは前記指標の像を遮 断して被検者の視界へ至らないようにする指標提供及び遮断手段 (2b) と, ケースに取付けられ、 前記半透過反射鏡を暗所側に透過した前記被検者の眼球 像を拡大して、 検者側の視界に導く眼球像拡大視手段 (3) とを具備する ことを特徴とする眼振通測定器。
3. 請求項 1又は 2記載の眼振通測定器において、 前記指標提供及び遮断手段 (2b) は、 ケース外の指標の像をケース内の前記半透過反射鏡へ向けて通過さ せるケースの窓部 (2b) と、 該窓部を開閉させる半透過型又は全遮光型の遮光 板 (10) とからなることを特徴とする眼振盪測定器。
4. 請求項 1又は 2記載の眼振盪測定器において、 前記指標提供及び遮断手段 (2 b) は、 指標を作成及び消滅させるベくケースに設けた液晶等による指標像 作成手段であることを特徴とする眼振盪測定器。
5. 請求項 1又は 2記載の眼振盪測定器において、 前記被検者 (41) に代え て撮像装置を配置したことを特徴とする眼振 ¾測定器。
6. 請求項 2記載の眼振遒測定器において、 前記眼球像拡大視手段 (3 ) は、 単眼又は双眼の近距離望遠鏡であることを特徴とす眼振盪測定器。
7. 請求項 2記載の眼振盪測定器において、 前記眼球像拡大視手段 (3 ) は、 眼球像拡大機能付きの撮像装置であることを特徵とする眼振通 ^定器。
8. 請求項 2記載の眼振盪測定器において、 前記拡大視手段 (3 ) は、 上方視, 正方視, 下方視, 左方視, 右方視に伴う瞳孔の各移動範囲を示す境界線及び移動 距離を示す目盛り線を、 前記被検者の眼球像に重ねて表示するメジャーフィルタ
( 2 1 ) を有することを特徴とする眼振通測定器。
9. 請求項 2記載の眼振盪測定器において、 前記拡大視手段 (3 ) は、 瞳孔の 移動範囲を瞳孔の回動距離又は変位角度として示す目盛り線を、 前記被検者の眼 球像に重ねて表示するメ ジャーフィルタ (2 4 ) を有することを特徴とする眼振 通測定器。
1 0. 請求項 6記載の眼振盪測定器において、 前記双眼鏡 (3 ) は、 被検者の 鼻丘に対する両眼の高さに応じて対物レンズを上下に調節する被検者用垂直調節 ねじ (2 5 ) と、 被検者の両眼の間隔に応じて左右の対物レンズの間隔を調節す る被検者用水平調節ねじ (2 6 ) と、 検者の左右の瞳孔の中心に左右の接眼レン ズの中心を調節する検者用水平調節ねじ (2 7 ) とを有することを特徴とする眼 振通測定器。
1 1 . 請求項 1又は 2記載の眼振通測定器において、 前記ケースは、 前記明所 を照明する測定ライ ト (8 ) を具備することを特徵とする眼振盪測定器。
1 2. 請求項 3記載の眼振盪測定器において、 前記ケースは、 前記窓部 (2 b ) の前記遮光板 (1 0 ) による開閉に同調して前記明所を照明し、 窓部を閉じたと きに点灯する測定ライ ト (8 ) を具備することを特徴と眼搌盪測定器。
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同族专利:
公开号 | 公开日
AU1581092A|1992-11-17|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1992-10-29| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AU CA JP US |
1992-10-29| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU MC NL SE |
1992-11-12| DFPE| Request for preliminary examination filed prior to expiration of 19th month from priority date (pct application filed before 20040101)|
1994-04-13| 122| Ep: pct application non-entry in european phase|
1994-12-13| NENP| Non-entry into the national phase in:|Ref country code: CA |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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